【保存版】デザインの基本まとめ|「4原則+2」で、センスを磨く

私には、センスがないからデザインなんてできないよ…

こんな声をよく耳にします。

センスは、才能ではなく、知識と経験で磨いていくものです。「なぜ見やすいのか」「なぜ読みにくいのか」には、ちゃんと理由があります。

この記事では、デザインを始めるときに知っておきたい基本をまとめました。

目次

0. デザインは「伝える」ための手段

本題に入る前に、ひとつだけ大切なことをお伝えします。

前提として「デザインは、伝えるための手段」です。どれだけおしゃれに装飾しても、伝えたいことが伝わらなければ意味がありません。一番大切なことは、情報が正確に伝わるということです。

では、どうすれば伝わるのか。まずは、情報の受け手のことを考え、5W1Hを意識しましょう。

5W1Hを使ったデザインの準備方法は、別の記事で詳しく紹介します。

1. デザインの基本6原則(4原則+2)

デザインの教本では、よく「近接・整列・強弱(対比)・反復」の4原則が紹介されています。この4つを守るだけでもデザインは見違えます。

ただ、実際に作ってみると、ごちゃごちゃしてまとまらないことがあります。その原因は、情報の詰め込みすぎと全体のバラバラ感です。

このブログでは、デザインの4原則に、簡単と統一の2つを加えた、6原則をご紹介します。

  • 近接:関係あるものを近づける
  • 整列:見えない線にそろえる
  • 強弱:差をはっきりつける
  • 反復:同じルールを繰り返す
  • 簡単:引き算して無駄を省く
  • 統一:全体の雰囲気をそろえる

1-1. 近接:関係あるものを近づける

近接とは、関係のある情報どうしを近づけ、関係のない情報どうしを離すことです。人は、近くにあるものを「ひとまとまり」だと感じます。

デザインのポイント

  • 見出しとその本文は、近づける
  • 写真とその説明文は、近づける
  • 別の話題との間は、しっかり離す

近接なし

◯ 近接あり

近接なしは、日時・場所のラベルと内容が離れて段もずれている、出店の説明が隣や下のお店のほうに寄っている、問い合わせ先の名前とTELの間に雨天中止が割り込んでいる。
近接ありは、関係ある情報を近づけ、グループの間をあけている。

1-2. 整列:見えない線にそろえる

整列とは、要素の端や中心を、見えない線にそろえることです。文字や写真をなんとなく置くと、少しずつズレが生まれます。ひとつひとつのズレは小さくても、積み重なると全体が雑に見えます。

整列なし

◯ 整列あり

整列なしは、品名・英名・値段が行ごとにずれて値段を目で追いにくい、写真の端が列とそろわない、右列の見出しが左列より下がっている、月のマーク・店名・サブタイトルの中心がばらばら、フッターが左寄せと右寄せで混在。
整列ありは、品名の左端・値段の右端・写真の端が列の線にそろい、TEA & OTHERSとSWEETSの見出しも同じ高さ。

そろえ方と印象

  • 左そろえ:基本のカタチ。迷ったらこれ!長い文章に向いています。
  • 中央そろえ:格式や落ち着きが出ます。短いタイトルや招待状向き。長文には不向き。
  • 右そろえ:個性が出るが、読みにくくなりやすい。日付や補足など短い要素に使用。

デザインのポイント

編集ソフトの「整列」機能やガイド線を使いましょう。要素同士だけでなく、紙や画面の端からの余白も見てください。作業中は、画面にオレンジの点線(見えない線)が引かれているところをイメージして、すべての要素をその線に沿わせていきましょう。6原則の中で「整列の徹底」が最も大事だと思っています。

1-3. 強弱:差をはっきりつける

強弱とは、大事なものを目立たせ、そうでないものを控えめにして、情報に優先順位(差)をつけることです。デザイン本によっては「対比」とも呼ばれています。

強弱なし

◯ 強弱あり

強弱なしは、店名・見出し・「最大50%OFF」・期間・説明がすべて同じくらいの大きさ・太さ・色で、主役の円もうすい色。どれが一番伝えたいことか分からない。
強弱ありは「最大50%OFF」→「AUTUMN SALE」→期間→店名・説明の順に、大きさ・太さ・色・余白で優先順位がはっきりついている。

デザインのポイント

差は、はっきりとつけることが大切です。中途半端だと、単なるズレのように見えてしまいます。受け手に最も伝えたいことを選び、差をつけましょう。

主な差の付け方

  • 大きさ:大きい/小さい
  • 太さ:太字/細字
  • 色:濃い色・鮮やかな色/薄い色・くすんだ色
  • 余白:周りに余白があるものほど目立つ
  • 位置:上や左上にあるものほど先に見られる

中でも大きさの比率をジャンプ率と言います。ジャンプ率が高いと元気で目立つ印象に、低いと落ち着いた上品な印象になります。

1-4. 反復:同じルールを繰り返す

反復とは、同じ役割の要素に、同じデザインを繰り返し使うことです。

反復なし

◯ 反復あり

反復なしは、同じ役割のパーツがカードごとに違う見た目になっている(タグの色と形、写真の角の丸み、カードの背景と枠線、タイトルの書体と色、料金の色と書体、区切り線の有無、「詳しく見る」がリンク・ボタン・下線付きリンクとばらばら)。「POINT」の見出しだけ書体と下線の色が違い、番号も「01」「2」「POINT.3」と書き方がそろっていない。
反復ありは、セクション見出し(英字の小見出し+日本語見出し+短い下線)、3つのコースカード(写真・タグ・タイトル・説明・料金・リンク)、こだわりの番号(01〜03)がそれぞれ同じ形で繰り返されている。

デザインのポイント

反復があると、読み手は、この形は見出しだな!と認識でき、あとは迷わずに読めます。ページ全体にリズムが生まれ、まとまって見えます。

  • 見出しは、すべて同じ文字サイズ・同じ色・同じ飾りにする
  • 箇条書きの記号は、すべて同じものを使う
  • 写真の角丸や枠線は、すべて同じにする

1-5. 簡単:引き算して無駄を省く

ここからは、デザインの4原則に加えた原則です。簡単とは、必要のない情報を、できる限り削ることです。シンプルにすると、本当に伝えたいことがまっすぐ届きます。

簡単なし

◯ 簡単あり

簡単なしは、星形やバッジ、桜の飾りが四方から主張し、写真の上にも見出しが重なっている。持ち物や注意書きまで詰め込まれ、肝心の日時や集合場所に目が届かない。
簡単ありは、情報を日時・集合・コース・参加費に絞り、写真と余白で春の気持ちよさを伝えている。

デザインのポイント

デザインがごちゃごちゃする一番の理由は、足し算のしすぎです。空いているところを埋めたくなって、飾りや情報を足していくと、一番大事なことが埋もれてしまいます。余白は、何もない場所ではありません。大事なものを目立たせ、読み手に息つぎをさせる、立派なデザインの要素です。

情報を削るときの問いかけ

  • 同じことを2回書いていない?
  • 文章をもっと短くできない?
  • これがなくても、伝えたいことは伝わる?
  • この飾りは、何のためにある?

箇条書きのススメ

5W1Hを伝える際は、箇条書きがおすすめです。項目名と内容が1行ずつに分かれ、知りたいことに一瞬でたどり着くことができます。

1-6. 統一:全体の雰囲気をそろえる

統一とは、色・書体・形・写真の雰囲気など、全体のトーンをそろえることです。

統一なし

◯ 統一あり

統一なしは、投稿ごとに書体・色・写真の雰囲気がばらばらで、同じお店のものに見えない。
統一ありは、色・書体・レイアウトがそろい、ひと目で「あのお店だ」と分かる。

デザインのポイント

統一は、作品全体の空気感をそろえる「全体のルール」です。例えば、見出しの形はそろっていても、手書き風のイラストと無機質な写真、ポップな書体と高級感のある明朝体が混ざっていたら、全体としてはちぐはぐに見えます。

統一の目安

  • 色:使う色は3色程度まで
  • 書体:使う書体は2種類程度まで
  • テイスト:イラストは同じタッチ、写真は同じ明るさ・色味にそろえる
  • 形:角丸なら角丸、直角なら直角でそろえる

2章以降で紹介する「色・文字・レイアウト」などにも共通してくる要素です。

6原則まとめ(金星人と共犯の関東人)

近接(きんせつ)、整列(せいれつ)、強弱(きょうじゃく)、反復(はんぷく)、簡単(かんたん)、統一(とういつ)の読みの最初の2文字を取って、

金星人と共犯の関東人

と覚えましょう!

これが言いたかっただけなのでは…!?


2. 色の基本

色は、見た人の印象を一番最初に決める要素です。配色で迷わないための、最低限の知識をまとめます。

2-1. 画面の色と印刷の色は違う(RGBとCMYK)

印刷したら、思ったより暗い色になった…

パソコンの画面ではあざやかだった色が、印刷するとくすんで見えることがあります。これは、画面の色と印刷の色とで、色の作り方が違うからです。まずは、2つの色の作り方を知っておきましょう。

RGB(光の三原色)とCMYK(色の三原色+黒)の比較図

  • しくみ:赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の「光の三原色」
  • 使われる場所:スマホやパソコンなどの画面
  • 混ぜると:明るくなり、白に近づく(加法混色)

表現できる色の範囲が広いため、画面で作ったあざやかな色は、インクでは再現しきれないことがあります。これが印刷したらくすんだ!の正体です。

使い分け方法
  • Webやスマホ画面で見せるもの:RGBで作る
  • チラシやポスターなど印刷するもの:CMYKで作る

写真も同じです。スマホなどで撮影した写真はRGBなので、印刷に使うときはCMYKに変換して、色の変わり方を確認しておきましょう。

2-2. 色の三属性

色は、次の3つの要素で説明できます。

  • 色相:赤・青・黄などの「色み」の違い
  • 明度:明るさ。高いと白に、低いと黒に近づく
  • 彩度:あざやかさ。高いとあざやかに、低いとグレーに近づく

色相環(色相を順番に並べて輪にしたもの)

明度と彩度の図とトーンの例

明度と彩度を組み合わせた色の調子を、トーンと言います。パステル調・くすみカラー・ビビッドなどは、トーンの呼び名です。

配色のコツ

色相をいろいろ変えるより、トーンをそろえるほうがまとまって見えます。パステル調なら、すべての色をパステル調でそろえるのが基本です。

2-3. 配色の黄金比「70:25:5」

色の使い方で迷ったら、この比率を目安にしてみてください。

  • ベースカラー 70%:背景など、いちばん広い面積の色。白や淡い色が基本
  • メインカラー 25%:そのデザインの「顔」になる色。テーマやお店・団体のイメージカラー
  • アクセントカラー 5%:目立たせたいところにだけ使う色。メインカラーと対照的な色が効果的

黄金比なし

◯ 黄金比あり

アクセントカラーは、少ないからこそ目立ちます。使いすぎると、全部が目立って何も目立たなくなります。

2-4. 覚えておきたい配色パターン

  • 同系色:同じ色相で、明るさやあざやかさだけを変える。まとまりやすく、失敗しにくい
  • 類似色:色相環でとなり合う色を使う。自然でなじみがよい
  • 補色:色相環で正反対の色(赤と緑、青と橙など)を使う。お互いを引き立て合い、強い印象になる。どちらかの面積を小さくするのがコツ
  • トライアド(三角配色):色相環を3等分した位置の色を使う。にぎやかで、バランスがよい

最初のうちは「同系色配色+アクセント1色」が安定します。

2-5. だれにでも見やすい色づかい

色の見え方は、人によって違います。日本では、男性の約20人に1人、女性の約500人に1人が、色の見え方に特性があると言われています。また、年齢を重ねると、薄い色の文字は読みにくくなっていきます。

だれにでも伝わるデザインにするために、次の3つを心がけましょう。

  1. コントラストをしっかりとる:文字と背景の明るさの差を大きくする。薄いグレーの小さな文字は、多くの人にとって読みにくいものです
  2. 色だけで区別しない:赤は必須、青は任意ではなく、「※必須」のように文字や記号も添える
  3. 見分けにくい組み合わせを避ける:赤と緑、青と紫など。使うときは、明るさにもはっきり差をつける

コントラストが低い

◯ コントラストが高い

コントラストが低いほうは、うすいベージュのタイトル、明るいグレーの本文、パステルの帯に白い文字と、どれも背景に溶けこんでいる。おしゃれな雰囲気はあっても、日時や場所を読むのにひと苦労する。
コントラストが高いほうは、レイアウトも書体も同じまま、文字と帯の色を濃くしただけ。それだけで、遠くからでも、スマホの小さな画面でも、すっと読める。

Webの世界では、文字と背景のコントラスト比を「4.5:1以上(大きな文字は3:1以上)」にすることが目安とされています(WCAGという、Webの見やすさの国際的なガイドライン)。無料の「コントラストチェッカー」に色を入れると、数値で確認できます。


3. 文字の基本

デザインで扱う情報の多くは文字です。文字の扱いが上手になると、デザイン全体が一気に垢抜けます。

ただし、無料のフォントでも「商用利用はNG」「ロゴへの使用はNG」など、条件がある場合があります。使う前に、必ず利用規約を確認しましょう。

3-1. 書体の種類

  • 明朝体:上品・知的・落ち着いた印象。長い文章の本文に
  • ゴシック体:力強く親しみやすい。見出しや看板、スマホ画面に
  • 丸ゴシック体:やさしい・かわいい印象。子ども向けに
  • 筆書体・デザイン書体:個性が強い。タイトルに少しだけ

英字の場合、飾りのあるセリフ体が明朝体に、飾りのないサンセリフ体がゴシック体に近い印象です。

書体を増やすほど、まとまりはなくなります。見出し用に1種類、本文用に1種類が目安です。強弱をつけたいときは、書体を変えるより「太さ」を変えるほうが、上品にまとまります。

3-2. 読みやすさを決める3つの要素

  • 視認性:ぱっと見て、文字があることに気づけるか
  • 可読性:長い文章を、疲れずに読み続けられるか
  • 判読性:「ロ」と「口」など、読み間違えないかけ

看板やタイトルは視認性、本文は可読性、数字の多い資料は判読性を重視して、書体と大きさを選びましょう。

3-4. 文字組みの基本

行間の設定

せまい

◯ちょうどいい

  • 行間:文字の大きさの1.5〜2倍くらいが目安
  • 1行の文字数:本文なら30〜40文字程度が目安
  • 字間:大きいタイトルは、少し詰めると引きしまる
  • 改行:単語や意味の途中で区切らない

せまいほうは、行と行がくっつき、どこまで読んだか目で追いにくい。
◯ちょうどいいほうは、行間を文字の約1.8倍にしただけで、同じ文章がすっと読める。

字間の設定

調整していない

◯調整した

調整していないほうは、「コーヒー」や日付などにすき間ができ、間のびしている。
◯調整したほうは、文字の形に合わせて字間を詰め、ひとかたまりの言葉として目に入る。


4. レイアウトの基本

レイアウトとは、文字・写真・図形などを、決められたスペースにどう配置するかを決めることです。6原則を一番使う場面でもあります。

4-1. グリッドを使う

グリッドとは、紙面や画面を見えないマス目で区切ることです。マス目に沿って配置すると、自然と整列と統一ができあがります。

4-2. 余白で印象をコントロールする

余白をたっぷりとると、上品で高級感のある印象に。余白を少なくすると、にぎやかでお得な印象になります。紙の端から文字までの余白(マージン)が狭すぎると、窮屈で安っぽく見えるので注意しましょう。

余白なし

◯余白多い

余白なしは、同じ写真・同じ文字を大きく詰めこみ、値段がどんと目に入る。ランチの安さと元気さが伝わる。
余白多いは、写真も文字も小さく、まわりの空間が「ゆっくり味わう一皿」の空気をつくっている。

4-3. 視線の流れを意識する

  • Z型:左上→右上→左下→右下。文字の少ないチラシやポスターで起こりやすい
  • F型:左上から右へ、少し下がってまた右へ。Webサイトや文字の多い画面で起こりやすい
  • N型:右上から下へ、左へ。縦書きの新聞や雑誌で起こりやすい

一番伝えたいことは視線の最初に、申し込みなど行動してほしいことは視線の最後に置くのが基本です。

4-4. 美しく見える比率

  • 黄金比(約1:1.618):古くから美しいとされる比率
  • 白銀比(約1:1.414):A4などの紙の縦横比。親しみのある比率

比率はあくまで目安です。なんとなくではなく、基準をもって決めることで、キレイにまとまります。

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